- 先に決めるのは対象ASIN・伝える事実・必要な写真・確認担当
- 画像サイズは選択するA+モジュールによって変わるため固定値で発注しない
- 逆引きキーワードは素材の優先順位づけに使い、画像内への詰め込みは避ける
AmazonのA+コンテンツを外注または社内制作するとき、最初に困りやすいのが「デザイナーに何を渡せばよいのか」という問題です。写真はあるのに寸法の根拠がない、コピーは完成したのに対象ASINが未確定、修正するたびに撮影が必要になる――こうした手戻りを減らすには、デザインに着手する前に素材と確認担当を一覧化することが重要です。
この記事では、Amazonの商品紹介コンテンツ(A+)で使用する写真、仕様資料、日本語原稿、画像説明、権利情報などの準備物を、制作依頼に使えるチェックリストにまとめます。SellerSpriteのキーワード逆引きリサーチを使って検索ニーズの候補を整理し、写真と説明にどの情報を用意するかを決める方法も紹介します。
A+の作り方・モジュール構成全般ではなく、制作前の素材管理・発注・校正に焦点を絞ったガイドです。Amazon SEOの位置付けはAmazon SEO対策完全ガイドで確認できます。

1.素材制作に入る前に確定すること
写真を集める前に、まず対象商品の範囲を決めます。商品ごとに色やサイズが異なるのに、すべて同じA+素材を流用すると、商品仕様との不一致が発生しやすくなります。
| 決定事項 | 最初に確認すること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 対象商品 | 対象ASIN・バリエーション・日本サイトでの掲載予定 | ASIN一覧と現行商品URL |
| 訴求の目的 | 使い方を説明する/仕様を理解してもらう/シリーズを選びやすくする | 購入者の疑問と優先する回答 |
| 担当者 | 商品仕様・法務/表示・撮影・デザイン・日本語校正の確認者 | 承認者とレビュー期限 |
| 制作範囲 | 基本A+、利用可能な追加機能、予定モジュールを画面で確認 | 管理画面の最新要件・モジュール一覧 |
利用できるA+タイプやモジュールはアカウントの資格・状況によって異なる場合があります。「すべての出品者が同じモジュールを利用できる」と想定せず、セラーセントラルのA+コンテンツマネージャーで実際に選べる形式を確認しましょう。
2.A+素材チェックリスト

下の表をプロジェクト管理シートにコピーし、「未着手/準備中/確認待ち/承認済み」の状態を付けると、素材の抜け漏れを把握できます。
| 素材区分 | 必要なファイル・情報 | 用途 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 商品実物写真 | 正面・側面・背面・重要部位の高解像度写真 | 形状や構造の説明 | 実際の商品と色・形が一致 |
| 利用シーン写真 | 対象ユーザーや利用環境を示すオリジナル写真 | 使い方やサイズ感を伝える | 誇張・不自然な使用場面がない |
| サイズ・構造図 | 寸法、パーツ名称、取り付け方向の図 | 仕様の誤解を防ぐ | 単位・測定箇所の整合 |
| 商品事実データ | 重量、容量、素材、対応機種など | 数値や特徴の裏付け | 最新仕様書と一致 |
| 試験・認証の根拠 | 使用できる試験成績・証明書の写し | 客観的な主張の根拠 | 有効期限・対象品番・表現権限 |
| 比較用の自社SKU情報 | 品番、サイズ、色、用途、違い | 同一ブランド内の選択補助 | 公開予定の販売商品と一致 |
| 日本語原稿 | 見出し、本文、短いキャプション | 画像とテキスト欄の役割分担 | 自然な日本語・誤字脱字 |
| 画像説明(alt) | 画像が何を示すか簡潔に説明した文 | アクセシビリティ | 詰め込み表現や無関係語がない |
| ブランド素材 | 利用権を持つロゴ、指定色、フォント指定 | ブランドの一貫性 | 商標・著作物の利用許可 |
| 管理情報 | ファイル名、版数、権利者、確認日、承認者 | 制作・更新時の追跡 | 最終版を一意に識別できる |
A+画像はモジュールごとに必要な縦横比・推奨サイズが異なります。すべての画像を同じ寸法で制作するのではなく、選択したモジュールの管理画面で要件を確認してから書き出してください。解像度、ファイル形式、容量、色空間なども最新の公式ガイドラインを優先します。
3.商品事実と根拠資料を準備する
数字を使う訴求には測定条件も残す
例えば「軽量」「大容量」「長時間使える」という語は、商品の種類によって受け止め方が変わります。数値を掲載するなら、商品の型番、測定条件、単位、対象期間などを確認し、元の試験記録や仕様書までたどれるようにしておきます。
根拠のない最上級表現や他社比較は避ける
「業界No.1」などの主張を、出典・調査対象・時点の確認なしでデザイン原稿に入れないでください。A+では競合他社に言及する比較や、価格・割引・配送条件・外部サイトへ誘導する表現など、制限のある項目があります。公開可否はAmazonの現行規約と日本の表示関連法令の両方を確認します。
4.写真・図解の撮影指示を作る

撮影担当には「きれいな写真を3枚」ではなく、「購入者が確認したい内容」と「その事実が分かる構図」を渡します。
| カット | 撮影・制作する内容 | 確認する商品事実 | 避けたい表現 |
|---|---|---|---|
| カットA:利用場面 | 実際に使用する場所で商品を撮る | 対象ユーザー・用途 | 不自然な利用や実際に付属しない小物 |
| カットB:重要部位 | 機能部分を接写し、必要なら図解で補う | 構造・素材・可動部 | 写真と実物が異なる加工 |
| カットC:寸法 | 主要寸法を矢印で説明する | 幅・高さ・奥行き・容量 | 単位や測定位置の省略 |
| カットD:使い方 | 操作順序を分かる範囲で複数カットにする | 組み立て・手入れ方法 | 誤使用や安全性の誤認 |
| カットE:シリーズ | 自社SKUの違いを図で整理 | 容量・用途・仕様の違い | 存在しない組み合わせ |
企画の段階で、画像内文字が小さくなりすぎないか、スマートフォンの縦画面で商品を認識できるかを確認します。メイン画像・サブ画像をそのまま貼り直すのではなく、A+ならではの追加情報を用意しましょう。
5.日本語原稿と画像説明を用意する
1ブロックに伝える内容は1つ
制作指示では「見出し」「補足説明」「図で示す事実」を分けて記載します。架空の水筒を例にすると、見出し「分解して洗える構造」/本文「ふたの取り外し手順を図で案内」/証拠「実物の分解写真」のように整理できます。ただし、実際の商品が分解できる場合に限ります。
altテキストは画像内容を説明する
画像説明(altテキスト)は、その画像が示す情報を利用者が把握できるよう記述します。「Amazon 水筒 おすすめ 人気 軽量」のように検索語だけを並べるのではなく、「ふたを取り外した水筒の3つのパーツを示す図」など、画像に忠実な説明にします。画像の文字だけで重要情報を完結させず、利用できるテキスト欄にも必要事項を記載します。
6.SellerSpriteで訴求の優先順位を整理する
SellerSpriteのキーワード逆引きリサーチは、競合ASINから関連する検索トラフィックワードを確認する機能です。素材を制作する前に、競合商品を検索する人が使う語から商品に関係する疑問を抽出します。

- 自社と用途・仕様が近い競合ASINを選び、日本市場で逆引きします。
- 結果に表示された語から、用途語・仕様語・利用上の悩みを分類します。
- 自社商品と関係しない語は除外し、根拠資料がある特徴を優先します。
- 「検索のヒント → 顧客の疑問 → 必要素材 → 担当者」を1行にします。
| 検索語の仮例 | 想定される疑問 | 素材依頼 |
|---|---|---|
| 水筒 洗いやすい | どのパーツまで洗えるか | 分解写真、手入れ方法の確認済み原稿 |
| 水筒 コンパクト | どこに収まるサイズか | 実寸の写真、寸法図 |
| 水筒 持ち運び | 利用場面に合うか | 利用シーンのオリジナル写真 |
上表の語は説明用の仮例です。逆引きリサーチは写真やコピーの素材を自動作成する機能でも、A+の成果を直接測る機能でもありません。データを制作前の仮説整理に使い、商品事実は別途確認してください。
7.制作会社・デザイナー向けの発注シート
外注時は次の項目を表にして引き渡すと、追加質問や修正の往復を減らせます。納品物の種類と権利条件は契約書でも明確にしましょう。
| 管理項目 | 記入例(架空) |
|---|---|
| 対象ASIN / SKU | ASINを記入/容量別SKUは別行で管理 |
| 対象者と目的 | 通勤で持ち運ぶ人/サイズと洗浄方法の誤解を減らす |
| 訴求テーマ | 使い方・寸法・手入れ方法(実物と一致する内容のみ) |
| 素材名・共有場所 | photo_cap_v02.png/社内共有フォルダーURL |
| 元データと権利 | 自社撮影/許諾記録/使用可能な範囲 |
| 掲載候補と要件 | 選択予定モジュール名・管理画面で確認したサイズ |
| 画像の説明文 | ふたの取り外し工程を示す写真 |
| 進捗と承認 | 担当者・確認日・版数・差し戻し理由 |
8.入稿前の確認と関連ページ
- 写真・説明に記載した商品と対象ASINの仕様が一致している
- 寸法・試験結果・使用条件の根拠を確認済み
- 画像・フォント・ロゴについて必要な利用権を持っている
- 画像内の文字がモバイル表示でも判読できる
- altテキストが画像内容を正しく説明している
- 価格、割引、配送、保証、競合との比較など規約で制限される表現を確認した
- モジュール別サイズ、形式、容量など最新仕様を確認した
- 承認済み版のファイルを保管し、変更履歴を残している
競合A+の観察から制作素材を決める場合は競合A+コンテンツの比較方法を、商品群全体への導線設計はブランドストアの商品配置とページ構成を参照してください。
SellerSpriteのキーワード逆引きリサーチで、関連する検索語や検索結果上の露出状況を確認し、訴求や商品グループの仮説を整理しましょう。A+の効果測定やブランドストアの来訪分析を直接行う機能ではありません。
キーワード逆引きリサーチを確認する9.よくある質問
Q.A+画像はすべて同じサイズで作ってよいですか?
A.いいえ。画像の要件は使用するモジュールによって異なります。利用可能なモジュールと入力欄の最新仕様を確認してから制作してください。
Q.商品写真があればA+を制作できますか?
A.写真だけでは十分でない場合があります。商品事実、利用場面、寸法、原稿、権利情報、対象ASIN、承認担当をそろえると制作と確認が進めやすくなります。
Q.競合商品に書かれている訴求をそのまま使ってもよいですか?
A.購入者の疑問を研究することと、他社の画像や文章を流用することは違います。自社の商品仕様と利用権に基づく独自の素材にしてください。
Q.逆引きリサーチでA+の画像文案を決定できますか?
A.検索語は消費者の関心を推測する材料です。最終的な原稿は商品事実、制作上の要件、公開規約を踏まえて人が確認してください。
10.まとめ
A+制作の手戻りを減らすには、完成画像を先に考えるのではなく、対象ASIN、商品事実、写真、原稿、altテキスト、権利・承認記録をセットで管理します。逆引きキーワードを購買疑問の発見に使い、必要な素材を根拠とともに発注することが実務上の近道です。
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