1、Amazon米国、7月8日よりCPSC証明書の電子申告を義務化 FBA規制対象商品は事前申告が必要に
Amazon米国はこのほどすべてのFBAセラーに対し通知を発表し、2026年7月8日より、米国消費者製品安全委員会(CPSC)の規制対象となる輸入消費財(子供用品、衣類、一部電子製品、家庭用品など)について、米国内フルフィルメントセンターへ納品する際、貨物が税関に到着する前にCBPのACEシステムまたはCPSC公式製品登録システムを通じて「適合証明書(GCC/CPC)」関連データの電子申告を完了することを義務付けると発表しました。この措置は、従来の貨物への証明書添付や事後抜き取り検査に代わるものです。期限までに申告しない場合、通関遅延や貨物受領拒否につながる可能性があります。なお、外国貿易地域(FTZ)経由の輸入商品については、この要件の猶予期間が2027年1月8日まで延長されています。
セラーはCPSC公式サイトの「Regulatory Robot」ツールを利用して、販売中のASINが規制対象カテゴリーに該当するか確認できます。対象商品である場合は、製品ID、適用法規コード、製造日および製造場所、試験日および試験機関情報、連絡担当者情報など7項目の資料を事前に準備し、通関業者へ申告を依頼する必要があります。対象カテゴリーを扱うセラーは、7月8日までにカテゴリー確認と証明書データの整理を完了し、繁忙期の納品遅延リスクを回避することが推奨されています。
2、Amazon、低評価レビュー購入者への能動的な連絡機能を廃止
複数のAmazonセラーが6月4日、セラーページ内のCustomer Reviewsセクションにおいて、1~3つ星レビューに対する「購入者に連絡(Contact Buyer)」ボタンが大規模に利用できなくなっていると報告しました。確認の結果、これはAmazonが段階的に導入している新ルールであり、セラーによる低評価レビュー購入者へのメッセージ送信権限を廃止するものです。これまで一般的だった返金提案、再発送対応、原因確認などのレビュー対策は、今後購入者側から連絡があった場合にのみ対応可能となります。
Amazonは本措置により、補償と引き換えにレビュー変更を求める行為などのレビュー操作を防止し、購入者を不要な連絡から保護するとともに、セラーに対して品質管理や商品説明の正確性向上を促しています。また、プラットフォーム外のメールやSNSなどを利用してレビュー削除や評価変更を依頼する行為も厳しく禁止されており、違反した場合はAI監視によるアカウント評価低下やアカウント停止のリスクがあります。正当な低評価レビューについては削除申請ができないため、出荷前検品の強化、商品仕様の正確な記載、購入者向けサポート案内カードの同梱などによる予防策が推奨されています。一方で、配送トラブルや悪質レビューについては従来通り削除申請が可能です。
3、日本三大ECプラットフォーム比較:楽天市場は会員制度、Yahoo!ショッピングはPayPay経済圏、AmazonはFBA効率を重視
日本市場調査会社Nintが発表した「2026年楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon総合比較レポート」によると、日本三大ECプラットフォームの月間訪問者数はいずれも4,000万~6,000万人規模である一方、運営モデルやユーザー特性には大きな違いが見られます。
楽天市場は数万円規模の月額固定プランを採用しており、さらに2%~6.5%の販売手数料に加え、1%~3%のポイント原資負担が必要です。ポイント経済圏の影響により、食品・ファッション・旅行関連商品の人気が高く、大型セール時に需要が集中する傾向があります。そのため、ブランド構築や会員運営を重視する成熟セラーに適しています。
Yahoo!ショッピングは現在、初期費用・月額費用無料のプランを提供していますが、2026年9月の制度変更後は月額費用や販売手数料が新設される可能性があります。手数料率は0%~8.64%です。PayPayおよびソフトバンク経済圏との結び付きが強く、決済キャンペーンへの反応が高いユーザーが多いため、低コストでの商品テストや市場検証に適しています。
Amazon.co.jpは月額固定費を徴収せず、カテゴリーごとに8%~15%の販売手数料のみが発生し、ポイント原資負担も不要です。FBA物流システムを活用することで、利便性や配送効率を重視する高頻度購入ユーザーを多く集めています。家電・書籍・日用品カテゴリーの販売が特に好調であり、安定したサプライチェーンを持ち、運営負荷を抑えながら規模拡大を目指すセラーに適しています。
レポートでは、マルチチャネル戦略を進める際には在庫管理と価格体系を統一し、各プラットフォームごとに独立したKPIを設定することで、運営効率を高めるべきだと提言しています。
4、日本のペット消費構造が変化 療法食とケア用品が新たな成長分野に
2026年2月から4月にかけて、日本の犬用品EC市場規模は約143億円で前年比5.6%減、販売数量は19.6%減となりました。猫用品市場は約83億円で前年比8.6%減、販売数量は33.7%減となっています。しかし、療法食や機能性フード、高付加価値ケア用品への需要増加により、犬用品の平均単価は前年比17.5%増の約4,000円、猫用品は前年比37.9%増の約3,600円となり、販売数量減少の影響を一部相殺しました。
カテゴリー別では、犬用首輪・リードの売上が12.2%増、ペットウェアは6.1%増となりました。また、猫トイレおよび消臭・抗菌猫砂用品の市場シェアは20.5%まで上昇し、自動清掃型猫トイレなどのスマート機器も成長を維持しています。これらの動向から、日本のペット市場は単なるペットフード消費から「長期的な健康管理」と「生活品質向上」へと移行していることがうかがえます。
業界関係者は、日本向け越境ECセラーに対し、大容量の一般フードSKU比率を減らし、療法食・機能性フード、高性能猫トイレ、外出用リード用品、高齢ペット向けケア用品などへの注力を提案しています。
5、AmazonのAIによる独立系ECサイト商品取得に批判 数百ブランドがBuy For Me提訴を準備
Prime Dayを目前に控える中、Amazonの「Buy For Me」および「Shop Direct」プロジェクトが、未出店の独立系ECサイトからAIクローラーを利用して商品情報を無断取得し、自動的に商品ページを生成したうえで匿名メールを利用して代理購入を行っているとして、米国の数百の中小ブランドから反発を受けています。
影響を受けた複数のブランドによると、AmazonがAI生成した商品ページには商品仕様や画像の誤表示が見られ、実際の商品とページ内容が一致しないケースが発生しています。その結果、顧客からのクレーム対応責任が実際の発送元ブランド側に及んでいるとのことです。また、サポート窓口へ問い合わせた際には、月額39ドルのセラーアカウント契約を求められたとの指摘もあります。
Amazonは過去に他社によるデータクローリングに対して訴訟を起こした経緯があり、今回の件について「ダブルスタンダード」との批判も出ています。現在、文具・子供服・ハンドメイドブランドなど複数の事業者が知的財産権弁護士と連携し、提訴準備を進めています。本件が司法手続きに進めば、AI商用利用の適法性やデータ取得の境界線を巡る重要な判例となる可能性があります。
越境EC事業者は、自社ブランドが無断掲載されていないか定期的に確認し、必要に応じてAmazonへDMCA削除申請を行うことが推奨されています。
6、Amazon、100億ユーロ超を投資し欧州物流ネットワークを強化
Amazonは欧州において100億ユーロ超を投資し、物流ネットワークの拡張およびスマート化を進めると発表しました。また、2030年までの従業員スキル向上施策として追加で10億ドルを投入し、約2万5,000人の新規雇用創出を見込んでいます。
今回の投資の注目点は、新世代自律移動ロボット「Proteus」です。自然言語による指示に対応し、2027年上半期から欧州物流センターでの導入が予定されています。さらに、触覚センサーを搭載した「Vulcan」、搬送ロボット「STARK」、AI運営システムと組み合わせることで、倉庫内ピッキングや注文処理の効率化を進めます。
また、30分配送サービス「Amazon Now」は英国およびインド市場を優先的に拡大し、欧州の当日配送ネットワークも年内に25地域以上へ拡張される予定です。現在、Amazonの世界配送ネットワークでは5万台以上の電動配送車が稼働しており、今回の投資は自動化・配送高速化・グリーン物流を通じて、グローバルEC物流における競争優位性をさらに強化することを目的としています。