1、 Amazon米英サイト、FBMポリシーを更新:BHDR90%以上を新指標に、英国では標準処理時間を1日に短縮
Amazonは、米国サイトおよび英国サイトにおける自社発送(FBM)ポリシーを更新しました。
米国サイトでは、2026年9月30日より「営業時間内配達率(BHDR)」という新たな評価指標が導入されます。直近14日間において、法人顧客向けFBM注文のうち営業時間内に配達が完了した注文の割合を90%以上維持することが求められます。2026年10月30日時点でも基準を満たさない場合、対象商品のAmazon Businessでの掲載が停止されます(FBA商品は対象外)。Amazonは、配送サービスの購入機能や配送設定の自動化ツールを活用し、配送品質の向上を図るよう販売事業者へ推奨しています。
英国サイトでは、7月15日よりアカウント全体の標準注文処理時間の設定項目が「0日」と「1日」のみとなり、これまで「2日」に設定されていた商品は自動的に「1日」へ変更されます。また、9月1日以降、販売事業者の実際の処理時間が30日間連続で設定値より1日以上早い場合、自動処理時間設定機能が自動的に有効化されます。
さらに、7月1日以降、EU域外からEU向けに発送される150ユーロ未満の商品についてはIOSS制度の利用が義務付けられ、適格配送業者へIOSS番号およびASIN情報を提供する必要があります。
AmazonはFBM販売事業者に対し、物流リードタイムの見直しや注文処理時間設定の調整を行うとともに、アカウント健全性ページでBHDR指標を継続的に確認するよう呼びかけています。
2、Prime Day終了後、Amazonセラーの注文数が大幅減少
2026年Prime Day終了後、多くのAmazon販売事業者から、注文数が通常時と比べ半減、あるいはそれ以上減少したとの報告が相次いでいます。広告費は増加している一方でコンバージョン率は大きく低下し、主要キーワードの検索順位も大幅に下落しています。
経験豊富なEC運営担当者によると、この現象は単なる「大型セール終了後の自然な反動」ではなく、セール期間中に広告投資と集中的な販売によって一時的に押し上げられたキーワード順位が、セール終了後のトラフィック減少とともに本来の水準へ戻る構造的な調整によるものと分析されています。
そのため、Prime Day終了後7日間の「ゴールデン期間」を活用した運営最適化が推奨されています。最初の2日間は主要キーワード広告の予算や広告構成を変更せず、コンバージョンの安定化を優先します。3日目から5日目は検索語句の安定性を分析しながら予算を再配分し、ロングテールキーワードによる流入構造を重点的に改善します。6日目から7日目には主要キーワードへの予算を適度に増額するとともに、新たなロングテールキーワードのテストを実施し、検索順位の維持・強化を図ります。
Numeratorのデータによると、今回のPrime Dayでは、売れ筋カテゴリーが従来の家電製品から、アパレル・ホーム用品・日用品のまとめ買いへと移行しました。また、半数を超える消費者が複数ECサイトで価格比較を実施し、Z世代の約30%はAIショッピングツールを活用して購買判断を行っています。
こうした動向は、ブラックフライデー・サイバーマンデー期間中も上位商品ページでは3〜5倍の売上増加が期待できる一方、中堅商品や新規商品では急成長が難しくなり、新規商品の流入機会がさらに限定される可能性を示しています。
販売事業者はPrime Day期間中の利益・在庫状況を早急に振り返り、「ランキング獲得」「利益確保」「在庫処分」などブラックフライデーに向けた目標を明確にしたうえで、在庫計画やキーワード運用戦略を事前に準備することが重要です。
3、Amazon、低評価レビューの「Contact Buyer」機能を段階的に廃止
最近、多くのAmazon販売事業者から、セラーセントラル上で1〜3つ星レビューに表示されていた「Contact Buyer(購入者に連絡)」ボタンが段階的に削除されているとの報告が寄せられています。
今後は低評価レビューが投稿された場合でも、購入者側から連絡がない限り、販売事業者はAmazonの公式機能を通じて購入者へ自発的に連絡し、問題解決を図ることができなくなります。そのため、レビュー対策の重点はこれまでの「低評価レビュー発生後のリカバリー」から、「低評価レビューを未然に防ぐ取り組み」へと移行していくとみられています。
業界では、Amazon公式のVineプログラムや「Request a Review」機能を積極的に活用し、規約に準拠した形でレビューを獲得することが推奨されています。一方、キャッシュバックカードの同梱、直接レビュー依頼、レビュー付き商品の統合など、リスクの高い施策については慎重な対応が求められます。
外部のレビューサービスを利用する場合は、サービス提供会社の運営実績や運用フローを十分に確認し、小規模なテストから開始するとともに、注文情報や返金記録などの証憑を保管し、アカウント停止リスクの低減に努めることが重要です。
また、大型セールや新商品販売時には、事前に実際の利用者からの良質なレビューを蓄積し、偶発的な低評価レビューによるコンバージョン率や広告評価への影響を最小限に抑えることが重要とされています。
4、TikTok Shop Japan、サービス開始1周年 MAUは4,950万人に到達
TikTok Shop Japanは2026年6月22日にサービス開始1周年を迎え、『広告主トレンドレポート』を公開しました。2026年5月末時点で、日本におけるTikTokの月間アクティブユーザー(MAU)は4,950万人に達しています。プラットフォームでは、消費者の購買行動を「検索して購入する」から「発見して購入する」へと転換する取り組みを進めています。データによると、2025年にはTikTokが日本国内にもたらした消費額は前年比46%増加し、名目GDPへの貢献も40%増加しました。
出店ブランドは、ショート動画やライブ配信を通じて新規ユーザーへの認知拡大を実現するとともに、他チャネルへの波及効果も生み出しています。松屋食品を例にすると、TikTok Shop出店初月のROIは8〜9倍に達しました。また、日本のユーザーによる検索行動では、「あっさりラーメン」の検索数が約60倍、「夏 崩れない ファンデーション」が約22倍に増加するなど、シーン別・ニーズ別の検索トレンドが顕著となっています。
日本市場でコンテンツECを展開する越境EC事業者に対しては、コスメ・美容、インスタント食品、日用品などの高頻度消費カテゴリーを重点的に展開し、クリエイターによるリアルなレビューとライブコマースを組み合わせることで、「発見―興味喚起―購入」までの導線を強化するとともに、日本語によるシーン別キーワードを活用したSEO対策を行い、トレンド流入の獲得力を高めることが推奨されています。
5、Yahoo!ショッピング、「AIお買い物メモ」を提供開始 手書きリスト認識や同一店舗でのまとめ買い提案に対応
日本のECプラットフォーム「Yahoo!ショッピング」は、2026年6月23日より「Yahoo!ショッピング AIエージェント」の第2弾機能として、新機能「AIお買い物メモ」の提供を順次開始しました。
本機能では、ユーザーが購入予定の商品や補充したい商品を手入力または音声入力できるほか、手書きの買い物メモを撮影して内容を認識することも可能です。また、イベントや利用シーンを入力するだけで、AIが必要な商品を自動的に推定する機能や、閲覧中の商品・画像を直接メモへ追加する機能にも対応しています。
AIは登録内容を解析し、数分以内にユーザーへ最適な商品候補を提案します。また、同一店舗の商品を優先的にレコメンドすることで、まとめ買いによる送料負担の軽減もサポートします。ユーザーはアプリ内で価格比較を行い、そのまま商品を購入することができます。
Yahoo!ショッピングは、本機能によって買い忘れや商品検索の手間を減らせるだけでなく、店舗内の関連購入率や平均購入単価(客単価)の向上にもつながることを期待しています。
6、日本Amazon2026年5月玩具ランキング:「デュエル・マスターズ」が首位、PG νガンダムの売上は3.4億円超
日本Amazonが発表した2026年5月の玩具・ホビーランキングによると、ゴールデンウィークやこどもの日、母の日などの需要を背景に、販売数量ランキングではタカラトミーの「デュエル・マスターズ」トレーディングカードが月間5,000点以上を販売し首位となりました。このほか、バンダイの「たまごっち」、UNO、ひらがな麻雀、『ONE PIECE』カードゲームなども好調で、主にパーティーゲームや入門向けカードゲームカテゴリーが人気を集めています。また、折り紙やレゴのクリエイティブシリーズも、手作り需要や癒やしニーズを背景に注目されています。
売上ランキングでは、バンダイ「PG UNLEASHED 1/60 νガンダム」が月間売上3億4,000万円超で首位となりました。さらに、Hasbroの『マジック:ザ・ギャザリング × FINAL FANTASY』コレクター・ブースターや統率者デッキが複数ランクインしたほか、「METAL STRUCTURE 解体匠機 νガンダム」再販モデルやレゴ「スター・ウォーズ デス・スター」も上位に入りました。
ランキング全体からは、日本市場では「低価格帯のコミュニケーション型商品が販売数量を牽引し、高価格帯のコレクター向けIP商品が売上を支える」という二極化構造が見られます。パーティー向けボードゲームやレトロ育成玩具が祝日需要を支える一方、高精度ガンプラや人気IPとのコラボTCG、数量限定商品が高単価市場を牽引しています。
日本Amazonで玩具・ホビーカテゴリーを展開する越境EC事業者には、親子向けカードゲームやパーティーゲーム、クラフト系商品の展開を強化するとともに、日本語ローカライズやセット商品の設計を最適化することが推奨されています。また、高単価カテゴリーでは、アニメ・ゲームIPコラボ商品、高級プラモデル、希少性の高いカード商品などを優先的に展開し、TikTokやYouTubeの開封動画・カード開封コンテンツと組み合わせた集客施策も有効と考えられます。