- 商品が売れないときは、まず在庫・出品状態・購入可能な条件を確認する。
- セッション数の減少は、訪問規模の問題を調べる手掛かりになる。
- セッションが維持され、販売点数が減った場合は購入関連の要因を調べる。
- ユニットセッション率は「注文商品点数÷セッション数」であり、注文者数の割合とは異なる。
- SellerSpriteの競合・市場データは、Amazonの自社実績を補足するために使う。
Amazonで商品を販売しているのに注文が増えないとき、「広告が足りないのか」「商品画像が悪いのか」「そもそも商品に需要がないのか」と悩むことはありませんか。特に新規セラーの場合、販売実績が少ないため、売上が伸びない原因をひとつに決めつけやすくなります。
しかし、商品ページをほとんど閲覧されていない場合と、十分に閲覧されているのに購入されない場合では、必要な改善が異なります。
Amazonで売れない原因を調べるときは、まず出品状態と販売可能在庫を確認し、次にセッション数とユニットセッション率を比較して、アクセス不足か、商品ページ・購入条件の問題かを切り分けましょう。
本記事では、Amazon Seller Centralのビジネスレポートを使い、原因を調べる具体的な順序、判断表、前週比較の計算例、SellerSpriteによる市場・競合の追加確認方法を解説します。
Amazon販売全体の進め方は、Amazon販売初心者の運営・ツール活用ガイドをご覧ください。
Amazonで売れない原因はどう切り分ける?
Amazonで売れないときは、すぐに商品タイトルを変更したり広告費を増やしたりするのではなく、どの段階に問題があるか確認します。

最初に整理したいのは、次の3つの状態です。
| 状態 | 観測される特徴 | 最初の確認対象 |
|---|---|---|
| アクセス不足 | 商品ページへのセッション数が少ない、または減少 | 検索露出・広告・需要・出品状態 |
| 購入につながりにくい | セッションはあるが販売点数が少ない | 価格・画像・商品仕様・配送・レビュー |
| 両方に問題がある | セッションと販売効率の双方が悪化 | 在庫・販売資格・購入条件・競合環境 |
ただし、この分類は原因を確定するものではありません。観測された数値から、次に何を調べるかを決めるための方法です。
最初に在庫と出品状態を確認する理由
在庫切れや出品停止が発生している場合、通常の商品ページ改善や広告分析だけでは問題を解決できません。そのため、まずSeller Centralで販売可能在庫、出品状態、重要な通知、販売条件を確認しましょう。
在庫数の確認方法やSKU別の管理については、Amazon SKU別在庫台帳の作り方をご覧ください。
セッション数とユニットセッション率の見方
Amazonのビジネスレポートでは、商品詳細ページへの訪問状況と販売実績を確認できます。
初心者が最初に注目したいのは、セッション数、注文された商品点数、ユニットセッション率です。
セッション数は商品詳細ページへの訪問規模を表す
セッションは、一定の条件で集計された商品詳細ページへの訪問を表す指標です。
ページビューとは定義が異なるため、表示された数値をそのまま同じものとして比較しないよう注意してください。セッションが減っている場合、流入機会が減少している可能性があります。
ただし、アクセスが減った理由は、検索順位、需要、広告、出品状態など複数考えられます。
ユニットセッション率は販売点数とセッションの関係を見る
Amazon Seller Centralのビジネスレポートでは、ユニットセッション率は注文された商品点数をセッション数で割った割合として定義されています。
ユニットセッション率(%)= 注文された商品点数 ÷ セッション数 × 100
例:200セッションで8点販売された場合、8÷200×100=4%
※1件の注文で複数点購入される場合があるため、「注文した人数の割合」と同じではありません。
この数値が低下しているときは、購入者が商品ページを閲覧した後の購入条件や、流入している購入者の検索意図などを確認する参考になります。
少ないデータで原因を断定しない
新規商品の場合、セッション数や販売点数が少なく、わずかな注文の違いで割合が大きく変動することがあります。
例えば、10セッションで1点売れれば10%ですが、これだけで十分な購入率が確保できたとは判断できません。
同じ期間の比較や、直近数週間の推移も確認しましょう。
アクセス不足が疑われるときの確認項目
商品ページへのセッションが少ない場合は、まず商品が購入者に見つかる状態になっているか確認します。
① 出品・在庫・配送条件に問題がないか
販売停止や在庫切れ、購入可能な出品の条件に問題がないかを確認します。
商品が正常に販売できない状態では、キーワード施策を実施しても期待した成果を得られない場合があります。
② 主要検索語で商品が見つかるか
商品と関連性の高い検索語を選び、検索結果での商品の表示状況や順位を確認します。
ただし、検索順位は日時、検索条件、広告枠などによって変化するため、1回の検索結果だけで結論を出さないようにしましょう。
③ 広告配信に変化がなかったか
広告を利用している場合は、配信状況、クリック、費用、予算、ターゲティングなどを確認します。
広告の予算が減ったことと、自然検索の流入が減ったことは別の問題であるため、情報源を分けて確認します。
④ 市場需要や競合環境が変わっていないか
季節性のある商品では、市場全体の検索需要が変化することがあります。
競合商品の価格、販売動向、レビューなども合わせて確認し、自社だけに起きた問題なのかを考えましょう。
アクセスがあるのに売れない場合の確認項目
セッション数が十分にあるのに販売点数が少ない場合は、商品ページと購入条件を確認する必要があります。
ただし、セッション数が多いからといって、すべての訪問者が購入意欲の高い人とは限りません。
① 商品と検索意図が一致しているか
例えば、500mlの商品を販売しているのに「1L」のような検索語から訪問されている場合、購入者が求める仕様と一致していません。
この場合は、商品ページの画像だけを改善するよりも、広告キーワードや検索意図との一致を確認する必要があります。
② 価格・送料・配送条件は適切か
競合商品と価格や配送条件が大きく異なる場合、購入判断に影響する可能性があります。
ただし、競合より安くすれば必ず売れるわけではありません。自社商品の利益や実際の価値も確認しましょう。
③ 商品画像・タイトル・仕様が十分に伝わるか
購入者がサイズ、素材、付属品、使用方法などを理解できる状態になっているか確認します。
特に商品画像と実際の商品仕様が一致していることが重要です。
④ レビュー・評価・在庫などに問題がないか
レビューの内容や評価、在庫の安定性、販売条件も確認しましょう。
商品ページにアクセスがあっても、必要なバリエーションが購入できなければ、注文につながりにくくなる場合があります。
原因を切り分ける5ステップ

STEP1.比較するASINと期間をそろえる
Seller Centralのビジネスレポートで、対象となる商品と期間を選びます。
親ASINと子ASIN、商品ごとのバリエーションなど、集計単位を確認してください。
STEP2.前期と当期のセッション・販売点数を比較する
セッション数と注文された商品点数を並べ、どちらが変化しているか確認します。
可能なら、同じ曜日を含む期間や季節性も考慮しましょう。
STEP3.ユニットセッション率を比較する
セッション数と販売点数から割合を確認します。
訪問規模が変わったのか、セッションあたりの販売点数が変わったのかを分けて考えます。
STEP4.在庫・広告・価格などの変化を調べる
数値の変化だけで原因を断定せず、出品状態、在庫、広告、価格、レビュー、配送条件などを確認します。
複数の要因が同時に変わっている場合は、優先して調べる項目を絞りましょう。
STEP5.改善仮説と再確認日を記録する
例えば「検索露出が減った可能性がある」「画像にサイズ情報が不足している」など、確認できる形で仮説を残します。
変更した日付と内容を記録し、一定期間の結果を確認します。
具体例|2商品を前週・当週で比較する
ここでは、Amazonで2つの商品を販売しているセラーの架空データを使い、問題の切り分け方を説明します。すべて説明用の数値であり、実在店舗の販売実績ではありません。
分析する2商品のデータ
| 商品 | 期間 | セッション | 販売点数 | ユニットセッション率 |
|---|---|---|---|---|
| 商品A | 前週 | 200 | 8 | 4.0% |
| 商品A | 当週 | 100 | 4 | 4.0% |
| 商品B | 前週 | 200 | 8 | 4.0% |
| 商品B | 当週 | 200 | 2 | 1.0% |
商品A:アクセス不足の可能性が高い
商品Aはセッション数が200から100へ50%減少しています。
販売点数も8から4へ50%減少していますが、ユニットセッション率は4%で変わっていません。
つまり、この条件では販売点数の減少を、訪問規模の減少によって説明できる可能性があります。
まず検索露出、広告配信、出品状態、在庫などを調べます。
商品B:購入関連の問題を優先して確認する
商品Bはセッション数が200で変わらない一方、販売点数は8から2へ減少しています。
ユニットセッション率は4%から1%へ、3ポイント低下しました。
この場合は、価格や商品画像、配送条件、レビュー、流入した買い物客の検索意図などに変化がなかったかを調べます。
ただし、ユニットセッション率の低下だけで商品自体に欠陥があると断定することはできません。
比較結果を改善タスクに変える
| 対象 | 最初の仮説 | 確認する情報 | 次のアクション |
|---|---|---|---|
| 商品A | 訪問機会が減少 | 検索順位・広告・在庫 | 流入減少の原因を確認 |
| 商品B | 販売へのつながりが悪化 | 価格・画像・配送・流入の質 | 購入判断の障害を調査 |
ここでの判断は、次に調べるべき方向を選ぶためのものです。施策の効果を確認する場合は、変更前後の期間や外部要因もそろえて分析しましょう。
SellerSpriteで市場・競合の変化を確認する
自社のセッションや販売点数はSeller Centralで確認します。
そのうえで、SellerSpriteの商品リサーチや市場リサーチを使うと、商品カテゴリーの需要や競合環境を追加で調べられます。
市場全体で需要が変わっていないか確認する
自社商品のアクセスが減った場合、カテゴリー全体の需要や競合商品の販売動向を確認する方法があります。
市場の需要が変化しているなら、自社の商品ページだけを原因とする前に季節性や競争条件を調べましょう。
近い条件の商品と比較する
商品リサーチでは、カテゴリー、価格帯、推定販売数、レビュー数などから競合候補を探せます。
比較する際は、用途、仕様、価格帯が近い商品を選ぶことが重要です。
ただし、SellerSpriteの推定販売数やBSRは、自社Seller Centralのセッション数や購入率を直接示すものではありません。
商品の需要を確認してから次の施策を決める
商品との関連性や需要に問題がある可能性が見つかった場合は、別の商品候補を調査する選択肢もあります。
特に新しい商品を追加する前には、検索需要だけでなく、競争、原価、利益、出品制限なども確認してください。
SellerSpriteの商品リサーチでは、Amazon.co.jpの商品候補をカテゴリーや価格帯、推定販売数、レビュー数などから絞り込めます。自社の販売実績と市場データを区別して、次の改善や商品選定に活用しましょう。
商品リサーチを使う分析結果から改善タスクを決める
売れない原因を切り分けた後は、調査結果に応じたタスクを決めましょう。
| 分析結果 | 優先する作業 | 再確認する指標 |
|---|---|---|
| 在庫・出品状態に問題 | 販売可能状態を回復 | 在庫・出品状態 |
| セッション数が減少 | 検索露出・広告・需要を確認 | セッション数 |
| セッション維持・販売点数が減少 | 価格・画像・商品情報・配送を確認 | ユニットセッション率 |
| データが少ない | 期間と条件をそろえて追加観察 | セッション・販売点数 |
週次で継続して確認する場合は、Amazon新規セラーが毎週やることも参考にしてください。
Amazonで売れない原因に関するよくある質問
Q1.Amazonで売れないのはアクセス不足が原因ですか?
アクセス不足の可能性はありますが、それだけとは限りません。まず在庫・出品状態を確認し、セッション数と販売点数を比較して、訪問規模と購入関連の問題を分けて調べましょう。
Q2.アクセスがあるのに売れない場合は何を確認しますか?
検索意図との一致、価格、商品画像、説明文、レビュー、配送条件、在庫などを確認します。また、アクセス数が十分か、対象期間を比較できるかにも注意が必要です。
Q3.セッション数が減ったら広告を増やすべきですか?
必ずしもそうではありません。出品状態・在庫・自然検索露出・広告配信・市場需要を確認し、減少の背景を調べてから判断しましょう。
Q4.ユニットセッション率は購入者のCVRと同じですか?
完全に同じではありません。ユニットセッション率は販売された商品点数をセッション数で割った割合であり、1回の注文で複数点購入された場合に違いが生じます。
Q5.少ないセッション数で商品が悪いと判断できますか?
少ないデータでは割合が大きく変動するため、断定は避けましょう。比較可能な期間を設定し、在庫や価格などの条件も確認してください。
Q6.SellerSpriteで自社商品のアクセス数を確認できますか?
自社商品ページのセッション数はSeller Centralのビジネスレポートを基準に確認します。SellerSpriteの商品リサーチや市場リサーチは、市場・競合状況を分析するための補助として使用できます。
まとめ|Amazonで売れない原因はデータの変化から調べよう
Amazonで売れない原因を判断する際は、最初から広告や商品ページだけを問題にしないことが重要です。
まず在庫と出品状態を確認し、セッション数、販売点数、ユニットセッション率を比較しましょう。
訪問規模が減っている場合は、検索露出や広告、需要を調査します。一方、訪問が維持されているのに販売点数が減っている場合は、商品ページや購入条件を優先して確認します。
数値は原因を自動的に教えてくれるものではありません。観測された変化から仮説を立て、確認する項目を絞るために使いましょう。
Amazon初心者の運営全体については、Amazon販売初心者の運営・ツール活用ガイドをご覧ください。
参考資料
