今週の注目
✨トランプ関税、相互関税の導入で任天堂株が急落、業界に波紋
✨SHEINやTemu、米トランプ政権、対中小口関税の免除撤廃
✨東南アジア、東南アジアで越境EC市場は急成長中
 
1、トランプ関税
相互関税の導入で任天堂株が急落、業界に波紋
アメリカのトランプ前大統領が4月2日に発表した新たな貿易政策「相互関税」により、任天堂の株価が一時10%近く下落した。中国やベトナムなど製造拠点を置く国への高関税が影響した形だ。
任天堂は、既に中国から東南アジアへの生産移転を進めていたが、ベトナムやカンボジアも対象となる高率関税の適用で、戦略の見直しを迫られている。アナリストは、ホリデーシーズンに向けたSwitch 2の供給体制への影響を懸念している。
 
任天堂はリスクを回避するため、2025年初頭から米国内への先行出荷を開始していたが、予約受付の延期を発表。市場の混乱は他のゲーム大手にも波及し、ソニーやカプコンなどの株価も下落した。トランプ氏は「一時停止はしない」と述べ、追加制裁の可能性も示唆。米中の関税対立が再燃し、ゲーム業界全体に不安が広がっている。
2、SHEINやTemu
米トランプ政権、対中小口関税の免除撤廃
トランプ米大統領は4月2日、中国(香港含む)からアメリカへ送られる小口輸入品に対し、これまで適用されていた免税制度を取りやめる大統領令に署名した。この措置は現地時間の5月2日午前0時1分から有効となる。
従来、米国では800ドル以下の商品であれば関税を免除される制度があり、通関手続きも簡略化されていた。そのため「SHEIN」や「Temu」など中国系通販サイトが急速に市場を広げてきた背景がある。新たな方針では、800ドル以下の貨物であっても、中国から発送された場合は30%の関税、または1件あたり25ドルが課税対象となる。さらに、6月1日以降には課税額が1件50ドルに引き上げられる予定だ。
今回の変更を受け、中国からの直接配送に頼るビジネスモデルに見直しの動きが出ている。一部企業は米国内への在庫移転を加速させ、配送経路の再編によって影響を最小限に抑える動きも始まっている。
情報源:https://thehill.com/business/5231429-donald-trump-tariffs-china-shein-temu-prices/
3、ロボット掃除機
中国企業が市場トップに、米iRobotは2位に後退
ロボット掃除機分野で長年市場をリードしてきた米iRobotが、2024年の世界出荷台数で初めて中国・石頭科技(Roborock)に首位を譲った。調査会社IDCによると、Roborockは出荷ベースで16%、売上ベースで22.3%のシェアを記録し、両指標で業界トップに立った。
出荷台数ランキングでは、iRobotは13.7%のシェアで2位に後退。カナダ・日本・米国では依然首位を維持しているが、アジアや西欧では中国勢の攻勢に押され、全体では出荷減とシェア縮小が続いている。
4、OpenAI
AI画像生成にウォーターマーク追加のテストを実施
OpenAIは、2025年3月26日に公開した画像生成機能「4o Image Generation」でウォーターマーク(透かし)を追加するテストを行っていることが報じられた。この機能はGPT-4oを活用し、高精度な画像生成を提供しており、公開からわずか1週間で1億3000万人以上のユーザーが7億枚以上の画像を生成した。
その人気の一方で、生成される画像に著作権侵害や倫理的問題が指摘され、特にスタジオジブリ風のミーム画像が問題視されている。こうした懸念に対応するため、OpenAIは画像にウォーターマークを追加する措置をテストしている。
ウォーターマークは、ChatGPTの無料プラン利用者向けに導入される可能性が高い。無料プランでは画像に透かしが入るが、有料プランではウォーターマークなしで画像を保存できるオプションが提供される予定だ。このテストはまだベータ版の段階であり、最終的な導入は不明だ。
5、東南アジア
東南アジアで越境EC市場は急成長中
東南アジアは、6億人以上の人口を有し、急速な経済成長を背景に越境EC市場が拡大している。特に、スマートフォン普及率やキャッシュレス化が進み、物流インフラの整備も進行中。これにより、日本企業の進出意欲が高まっているという。
ASEANの電子商取引市場は、2025年に1336.2億米ドルから2029年には1871.6億米ドルへ拡大すると予測される。国別では、シンガポールが最も高いGDPを誇り、ミャンマーが最も低い状況です。地域ごとの差は大きいものの、全体的に成長が見込まれる。
2024年の越境EC購入金額は前年比120.9%の成長を記録し、購入件数は139.9%の増加を見せる。これからは、比較的低単価の商品を購入するユーザーが増えており、東南アジアの経済成長を牽引する国々で中間層の拡大が進み、越境ECを通じた趣味的な消費も増加していると考えられる。
6、イーベイ・ジャパン
越境ECは好調 真贋保証やリファービッシュを強化
イーベイ・ジャパンは2024年3月7日、事業説明会を開催し、越境EC市場の成長を背景に真贋保証サービスやリファービッシュド(整備済品)プログラムに注力する方針を示した。2024年度、イーベイで伸びた分野はデジタルカメラ、メンズアパレル、自動車パーツであり、インバウンド需要の影響もあり、国内セラーへの期待が高まっている。購入率向上のため、真贋保証サービスの拡大や、バイヤーが製品補償を受けられるリファービッシュドプログラムを提供する予定である。
イーベイは、セラーの負担を減らしながら輸出支援を強化する方針であり、プログラムの運用により、国内総生産(GDP)への貢献を目指すとしている。
情報源:https://news.yahoo.co.jp/articles/db3a8da0558a1015cfdea498cc58fdfd60ead8e9
7、YouTube
ショート動画の視聴回数カウント方式を変更
YouTubeは2025年3月31日から、ショート動画の視聴回数のカウント方式を変更すると発表した。これまでは一定の秒数視聴されると「1回視聴」とカウントされていたが、今後は視聴が開始された時点で「1回視聴」と計測される。
この変更により、InstagramやTikTokと同様のカウント方式が採用され、ショート動画の視聴回数が増加する可能性があるとYouTubeのMeaghan氏はコメントした。コンテンツ戦略やパートナーへのアピールに役立つとしている。今回の変更はYouTubeパートナープログラムの参加条件や収益化機能には影響せず、視聴継続時間などは引き続き「アナリティクス」で確認可能。
情報源:https://support.google.com/youtube/thread/333869549